2012年4月17日火曜日

マイクロファイナンス

2012/04/16の日経の経済教室にマイクロファイナンス、グラミン銀行の話がのっていた。 返済率がしばしば95%を超えた。 /* これがなぜうまくいくのか不思議だった。グループで融資するから、江戸時代の五人組みたいに連帯責任になるので、相互に監視しあうからだろうと漠然と考えていた。 */ ○その理由としてあげられているのが。 ◎グループを組んで融資するので、相互に資金使途を監視する。そのためハイリスクに投資して浪費するモラルハザードが抑制される。 /* Wikipediaに書いてあるが、もともと保険会社が使っていた用語らしい。これは5人組にちかい効果だろうか。 */ ◎逆選択;銀行が借り手のリスクを判別できないとき、金利を高く設定するしかなく、高リスクの借り手だけが市場に残る。連帯責任では、リスクの低い人が選ばれるので逆選択がおきにくい。 ◎戦略的債務不履行;新興国で法制度が未発達だと法的強制力が弱く、そのため甘く見て返さないことがある。これは、グループが陶片追放という社会的な制裁を加えることで抑止できる。 ◎前向きの動機づけ。マイクロクレジットでは、借入を完済すると融資枠が増額される。大きな資金が手に入る。 ○しかし、フィールド実験(環境の変化と人間の反応を現実の環境の中で行う実験)をしてみるとそういう理論とはちがった結果になった。 モラルハザード、戦略的債務不履行に抑止効果は見られなかった。(エール大学のディーン・カーラン教授などの研究) グループ融資では債務不履行の「相乗り」がおこっている。 /* 相乗りというのがよくわからないが、みんなでしめしあわせて払わないってことだろうか。 理論的な部分の理由が、モラルハザードとか逆選択とか面白かったけど、フィールド実験をしたら一部効果が否定されて、今は研究中でよくわからないらしい。モラルハザードが否定されたら、個人的に勝手に考えていた5人組効果も否定されてしまう。理論面は納得できて面白いけど、結局、明確な結論はでてないということだ。*/